大都市交通センサスのデータをもとに乗客の流れを表した「乗車駅別駅間移動人員図」を作成する連載記事の49回目はJR横浜線です。図の見方は以前の記事をご覧ください。

 横浜線は東神奈川~八王子間42.6kmの路線です。2015年における横浜線の最混雑区間と混雑率は小机→新横浜間で170%、最混雑1時間当たりの輸送人員は38,280人/時となっています。

1017_03

 初めに「方面別駅間通過人員図」について見ていきます。東京都と神奈川県の県境に近い橋本を境に利用者の流れが多い方向が変わります。八王子~橋本間では八王子方面の流れのほうが多く、橋本~東神奈川間では東神奈川方面の流れのほうが多くなっています。八王子方面の流れは区間による利用者数の差が少ないですが、東神奈川方面の流れは東京都内で少なく、神奈川県内で多くなっています。

1017_05

 次に東神奈川方面の「乗車駅別駅間移動人員図」を見ていきます。直通する京浜東北線の東神奈川~桜木町間も併せて取り上げます。八王子から古淵まで各駅での乗車により駅間通過人員は増えていきます。町田では小田急線との乗り換えで半数程度の利用者が入れ替わります。町田からは増え方が小さくなり、小机~新横浜間で駅間通過人員は横浜線内で最多となります。新横浜と菊名では降車が多く駅間通過人員は減ります。東神奈川では京浜東北線との乗り換えにより3割程度は東京方面へ向かいますが、6割程度は横浜方面へ向かいます。東神奈川~横浜間では京浜東北線からの直通利用者よりも横浜線からの利用者のほうが多くなっています。

1017_04

 最後に八王子方面の「乗車駅別駅間移動人員図」を見ていきます。横浜~東神奈川間の利用者のうち2割程度が横浜線内の駅へ向かいます。大口と菊名での乗車により駅間通過人員は増えます。新横浜からは降車が多くなり駅間通過人員は減っていき、鴨居~中山間が谷となります。中山から乗車が多くなり、一転して増えていきます。町田では東神奈川方面と同様に半数以上の利用者が入れ替わります。次の古淵からは相原まで駅間通過人員が減っていきます。八王子みなみ野と片倉では駅間通過人員はわずかに増えていきます。